音楽よもやま

「〜トランスクリプション〜」

May 2018 Okazaki Nobuo  

 トランスクリプションというとリストのピアノ編曲が浮かびます。
今のようにCDや放送などのメディアの無い時代に名曲を本来の形では パフォーマンスしずらかった田舎やあるいはサロンで楽しめるように先人の交響曲や歌曲を巧みに ピアノに置き換えました
あのベートーヴェンの「第9」では独奏ばかりか2台PF版にもしました。ワーグナーも編曲しましたが、 リストが声楽も含めてピアノに置き換えたのにたいしてワーグナーはオケだけで4楽章ではソロ歌手と合唱が登場する。⇒音楽1
他にも、様々に、ピアノにあるいは編成を変えてのトランスクリプションが生まれる。

今回のプログラムのメンデルスゾーン/弦楽のための交響曲第8番は作曲者自身のトランスクリプションがあります。
14歳で作曲したこの曲は自身よほど気に入っていて後に木管を加えたトランスクリプションがあります。⇒音楽2
室内交響曲110aは言うまでもなく弦楽四重奏8番のバルシャイによるトランスクリプション。バルシャイ以外でも弦楽合奏への編曲もありますが、
弦楽合奏以外でもピアノ版、金管版などへのトランスクリプションも⇒音楽3音楽4。最近ではA. スタセヴィチが編曲したTimpと弦楽版をP.ヤルヴィ も録音しました。⇒音楽5
いずれも興味深いものですが、聴くものとしては結局、やがては原典版に回帰してしまう。
◇なお参考音源は著作権上30秒以内でのご紹介です。

音楽1:第9第4楽章ワーグナー編

音楽2:メンデルスゾーン木管付

音楽3:ショスタコーヴィチPF

音楽4:ショスタコーヴィチ金管

音楽5:ショスタコーヴィチTimp+Strings