曲目解説

フィリップ・グラス(1937 〜 ) チェロ協奏曲

フィリップ・グラスは現代アメリカを代表する作曲家。分散和音と変拍子、反復を基調とする彼の音楽は「ミニマリズム」と呼ばれている。初期の作品は前衛的なものであったが、近年は「めぐりあう時間たち」「シークレット・ウィンドウ」等の映画音楽も手がけるなど、叙情性豊かな音楽になっている。

2001年に作曲、初演され、今回の演奏会が日本初演となるチェロ協奏曲は、その構成の確かさ、香り立つ叙情性とが相俟ったグラス円熟の傑作である。

その他の代表作:「波打ち際のアインシュタイン(Einstein on the Beach)」
         「ヴァイオリン協奏曲」
          映画音楽「MISHIMA」 等

公式サイト:http://philipglass.com

グスタフ・マーラー(1860 〜 1911) 交響曲第6番「悲劇的」

現在のチェコスロヴァキアに生まれ、ウィーン学友協会音楽院を経て指揮者としてウィーン宮廷歌劇場芸術監督に就任。つまり小沢征爾の大先輩に当たる。指揮活動の一方、夏の休暇には交響曲を中心に作曲を行った。

彼の音楽は雄大にして緻密であり、精妙かつ劇的である。特に、一般に「悲劇的」と呼ばれるこの交響曲第六番はマーラーの交響曲中最も完成度の高い作品とされており、純器楽的構成でありながらも、運命の打撃によって斃れていく英雄の悲劇性を壮大なスケールで描いている。

なお、マーラー自身最後まで悩んでいたという第二、第三楽章の順番だが、今回の演奏会では、「アンダンテ・モデラート→スケルツォ」の順で演奏される。また、終楽章で「運命の打撃の象徴」としてマーラーが用いたハンマーは、今回は3回打たれる。

その他の代表作:交響曲第5番
          交響曲「大地の歌」
          亡き子をしのぶ歌 等


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