第139回定期演奏会
〈本番までの歩み〉
2022年4月、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、第139回定期演奏会に向けた練習が本格的にスタートした。当初は、大学の定めたガイドラインとの兼ね合いで、本番1ヶ月前からしかtuttiを行うことができず、練習は各セクション毎に別々で行っていた。こうした状況を踏まえ、2022年度より各セクションの練習日を変更し、外部の施設だけでなく、音楽練習場も活用する試みを始めた。ただ、顔を合わせる機会の少なさから、セクションを越えた関係の希薄さは顕著であった。
そこで始めた新たな試みが、オンライン部活動で
ある。Zoomを用いて団員が一堂に会し、レクリエ
ーション等を通じて交流を深めた。また、学生指揮
者による演奏曲についての勉強会なども行われ、団
員同士の仲だけでなく、演奏曲に対する理解も深め
ていった。
工夫を凝らしながらの練習が続き、迎えた5月。
1つの朗報が舞い込んでくる。大学が、課外活動団
体へのガイドラインを大幅に緩和したのである。こ
れにより、音楽練習場でのtuttiが可能となったほか、
合宿などの行事についても実施が可能となった。
そして、迎えた6月4日。実に約2年半ぶりとなる音楽練習場でのtuttiが行われた。「いつもの練習場」が復活し、セクションを越えた交流も見られるようになり、音楽練習場に活気が戻った。6月10日から12日の3日間は、日本シベリウス協会会長であり、本演奏会の客演指揮者を務めていただく新田ユリ先生にお越しいただき、ご指導を賜った。また、6月18日には、OBの村上史昂先輩にご指導いただいた。
本演奏会では、4回生学生指揮者の川﨑海が、ロメオとジュリエットの指揮とカリンニコフ交響曲第1番の下振りを、3回生学生指揮者の関本悠羽が、フィンランディアの下振りをそれぞれ担当した。ただ、先述の通り、ガイドライン緩和前はtuttiを行うことができない状況にあった。そのため、2人で分担して各セクションの練習に足を運び、それぞれのレベルアップに努めた。また、先述の通り、オンラインにて演奏曲についての勉強会も実施した。
tuttiをすることが叶ったのは、本番の約1ヶ月前。学生オーケストラでは異例の短期間にも関わらず、音楽を作り上げることができた背景には、こうした学生指揮者の工夫と努力があった。
6月30日からは新田先生を迎え、外部施設にて練習を行った。短くも濃密な本番までの3日間。他でもない、関西学院交響楽団の音楽がここに完成した。また、最終日の練習後には、団員の書いたメッセージカードが学生指揮者に手渡された。
〈演奏会当日〉
当日は、午前10時15分よりゲネプロが行われ、それぞれの曲の最終確認が行われた。12時30分にゲネプロが終了し、その1時間後の13時30分に開場した。
本演奏会では、団員有志によるウェルカムコンサートが行われ、開演前に3組が演奏を行った。ウェルカムコンサートが終わり、14時30分に開演。恋愛・逆境・生への希望...「祈り」をテーマとしたプログラム。幻想序曲「ロメオとジュリエット」では、本演奏会で引退となる川﨑海が、現役最後の指揮を振った。続いて、シベリウスを探究し続けるマエストロに導かれ、交響詩「フィンランディア」を演奏。最後は、新田先生も初挑戦だというカリンニコフの交響曲第1番。それぞれが万感の思いを胸に、練習の成果を音に込めた。終演後、観客からの鳴りやまぬ拍手が会場にこだまする。ステージ上には、涙を流し、互いを労う団員の姿があった。
片付けを終え、行われた最終ミーティングでは、学生指揮者や渉内チーフ、顧問の田中敦先生らが挨拶を行った。新田先生にもご挨拶いただき、演奏会の講評と団員へのメッセージを頂戴した。また、部長より新田先生へ団員からのメッセージカードが手渡された。
コロナ禍による制約や約1ヶ月前から始まったtutti。部活中もそれ以外も、様々な障壁がありながら、それを乗り越えた団員たち。ミーティングを終えた会場は、演奏会を無事に終えた安堵感とともに、早くも次回の演奏会への決意と期待に包まれていた。
(107期 S.I.)
〈本番までの歩み〉
2022年4月、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、第139回定期演奏会に向けた練習が本格的にスタートした。当初は、大学の定めたガイドラインとの兼ね合いで、本番1ヶ月前からしかtuttiを行うことができず、練習は各セクション毎に別々で行っていた。こうした状況を踏まえ、2022年度より各セクションの練習日を変更し、外部の施設だけでなく、音楽練習場も活用する試みを始めた。ただ、顔を合わせる機会の少なさから、セクションを越えた関係の希薄さは顕著であった。
そこで始めた新たな試みが、オンライン部活動である。Zoomを用いて団員が一堂に会し、レクリエーション等を通じて交流を深めた。また、学生指揮者による演奏曲についての勉強会なども行われ、団員同士の仲だけでなく、演奏曲に対する理解も深めていった。
工夫を凝らしながらの練習が続き、迎えた5月。1つの朗報が舞い込んでくる。大学が、課外活動団体へのガイドラインを大幅に緩和したのである。これにより、音楽練習場でのtuttiが可能となったほか、合宿などの行事についても実施が可能となった。
そして、迎えた6月4日。実に約2年半ぶりとなる音楽練習場でのtuttiが行われた。「いつもの練習場」が復活し、セクションを越えた交流も見られるようになり、音楽練習場に活気が戻った。6月10日から12日の3日間は、日本シベリウス協会会長であり、本演奏会の客演指揮者を務めていただく新田ユリ先生にお越しいただき、ご指導を賜った。また、6月18日には、OBの村上先輩にご指導いただいた。
本演奏会では、4回生学生指揮者の川﨑海が、ロメオとジュリエットの指揮とカリンニコフ交響曲第1番の下振りを、3回生学生指揮者の関本悠羽が、フィンランディアの下振りをそれぞれ担当した。ただ、先述の通り、ガイドライン緩和前はtuttiを行うことができない状況にあった。そのため、2人で分担して各セクションの練習に足を運び、それぞれのレベルアップに努めた。また、先述の通り、オンラインにて演奏曲についての勉強会も実施した。
tuttiをすることが叶ったのは、本番の約1ヶ月前。学生オーケストラでは異例の短期間にも関わらず、音楽を作り上げることができた背景には、こうした学生指揮者の工夫と努力があった。
6月30日からは新田先生を迎え、外部施設にて練習を行った。短くも濃密な本番までの3日間。他でもない、関西学院交響楽団の音楽がここに完成した。また、最終日の練習後には、団員の書いたメッセージカードが学生指揮者に手渡された。
〈演奏会当日〉
当日は、午前10時15分よりゲネプロが行われ、それぞれの曲の最終確認が行われた。12時30分にゲネプロが終了し、その1時間後の13時30分に開場した。
本演奏会では、団員有志によるウェルカムコンサートが行われ、開演前に3組が演奏を行った。ウェルカムコンサートが終わり、14時30分に開演。恋愛・逆境・生への希望...「祈り」をテーマとしたプログラム。幻想序曲「ロメオとジュリエット」では、本演奏会で引退となる川﨑海が、現役最後の指揮を振った。続いて、シベリウスを探究し続けるマエストロに導かれ、交響詩「フィンランディア」を演奏。最後は、新田先生も初挑戦だというカリンニコフの交響曲第1番。それぞれが万感の思いを胸に、練習の成果を音に込めた。終演後、観客からの鳴りやまぬ拍手が会場にこだまする。ステージ上には、涙を流し、互いを労う団員の姿があった。
片付けを終え、行われた最終ミーティングでは、学生指揮者や渉内チーフ、顧問の田中敦先生らが挨拶を行った。新田先生にもご挨拶いただき、演奏会の講評と団員へのメッセージを頂戴した。また、部長より新田先生へ団員からのメッセージカードが手渡された。
コロナ禍による制約や約1ヶ月前から始まったtutti。部活中もそれ以外も、様々な障壁がありながら、それを乗り越えた団員たち。ミーティングを終えた会場は、演奏会を無事に終えた安堵感とともに、早くも次回の演奏会への決意と期待に包まれていた。
(107期 S.I.)