2010年度演奏旅行
〈本番までの歩み〉
当時の演奏旅行の形式は3日間の本番があった。ファミリーコンサート2日間と一般公演(春の定期演奏会と同プログラム)である。ファミリーコンサートは地域のホールで新歓や学祭のようなプログラムを演奏するだけの事もあれば、ご当地かつ流行の曲を依頼されたり、その地域の中学生とジョイントのようにして吹奏楽のようにしたりすることもある。私たちの世代もこの例に漏れず、2日間のファミリーコンサートを行い、一つの中学校ではその後に音楽教室のような形で、楽器体験コーナーを設けた。また定期演奏会とは違って、主体となるのは3回生であり、4回生はアンサンブルコンサートや3回生以下の足りないパートにエキストラ出演のみで、基本的には最終日の一般公演に向けて体力温存、という形を取っている。
ファミリーコンサートでは、3回生の学生指揮者・仲谷太宏が中心となる。そして、2回生の学生指揮者・矢間明日香の指揮者デビュー公演でもあった。二人は協力し合い、練習後練習などのtuttiを分担し、4回生が見守る中、3回生が中心に準備を進める。
通常練習では、春の定期演奏会で悔しい想いをした分、それぞれがより自発的に大分でのリベンジを果たすべく良いモチベーションを維持しつつの練習となった。
<演奏旅行で3日間連続の本番>
・8月19日 豊後大野法人会 ファミリーコンサートin 豊後大野市/4回生アンサンブルコンサート
・8月20日清川中学校音楽教室 in 豊後大野市/4回生アンサンブルコンサート
・8月21日一般公演 @別府フィルハーモニアホール
演奏旅行で最も厳しい部分は実は本番ではない。本番後の練習である。私達大学生は元気だったし、年齢も若い。だがしかし、加減を知らないし、“抜く”ということもできないのだ。つまりは一つの演奏会で全力を出してしまう。当たり前である。
2つのファミリーコンサートは素晴らしい演奏会となった。子どもたちが目を輝かせ、楽しんでくれる。そして、楽器体験では演奏した1-3回生の団員とここには4回生も加わり、全員で中学生たちに楽器の楽しさを伝える。素晴らしい時間を共有した。
そして、、、その幸福感と疲労の後に待っているのが何ともヘビーな一般公演の練習である。一般公演で定期演奏会の全曲を指揮する4回生の学生指揮者の浦と3回生の演奏旅行係のチーフである高田志麻は話し合い、練習中に細かい休憩を挟むことを決める。練習中、疲労から来る眠気で居眠りをしてしまう団員もいた。普段なら怒られるところだが、状況が状況だけに浦も怒る事はせず、「1度だけでいい。ここからここまで集中して演奏しよう。そして5分休憩しよう。」と配慮しながら団員達は重たい身体を引きずるようにしながら、苦行のような練習をこなし、一般公演に備えた。
そして迎えた3日目の本番。つまり演奏旅行の最終公演であり、一般公演日当日である。
団員達には定期演奏会から引っ張ってきた特別な想いがあった。本番直前の舞台袖で緊張に震える団員もいた。フィデリオ、ロメオとジュリエットと素晴らしい演奏が続き、いよいよメインのシベリウス交響曲第2番。学生指揮者の浦にとっては人生初めての交響曲の本番の指揮だ。
「シベリウスの本番の時、浦くんの指揮棒が震えてるのを初めて見た」とコンサートミストレスの大西由利子もそのように語っていた。それだけの団員の想いを知っているだけに、そして“交響曲を指揮する”という重みに“失敗できない”と、緊張したのだろう。こうして、団員全員が一丸となって、心身ともに力を出し切り、演奏旅行は無事全て終演した。
その後の打ち上げの宴会はご想像にお任せする。とにかく楽しくて幸せだった。そこに尽きる。
(94期 Y.U.)
〈本番までの歩み〉
当時の演奏旅行の形式は3日間の本番があった。ファミリーコンサート2日間と一般公演(春の定期演奏会と同プログラム)である。ファミリーコンサートは地域のホールで新歓や学祭のようなプログラムを演奏するだけの事もあれば、ご当地かつ流行の曲を依頼されたり、その地域の中学生とジョイントのようにして吹奏楽のようにしたりすることもある。私たちの世代もこの例に漏れず、2日間のファミリーコンサートを行い、一つの中学校ではその後に音楽教室のような形で、楽器体験コーナーを設けた。また定期演奏会とは違って、主体となるのは3回生であり、4回生はアンサンブルコンサートや3回生以下の足りないパートにエキストラ出演のみで、基本的には最終日の一般公演に向けて体力温存、という形を取っている。
ファミリーコンサートでは、3回生の学生指揮者・仲谷太宏が中心となる。そして、2回生の学生指揮者・矢間明日香の指揮者デビュー公演でもあった。二人は協力し合い、練習後練習などのtuttiを分担し、4回生が見守る中、3回生が中心に準備を進める。
通常練習では、春の定期演奏会で悔しい想いをした分、それぞれがより自発的に大分でのリベンジを果たすべく良いモチベーションを維持しつつの練習となった。
<演奏旅行で3日間連続の本番>
・8月19日:豊後大野法人会 ファミリーコンサートin 豊後大野市/4回生アンサンブルコンサート
・8月20日:清川中学校音楽教室 in 豊後大野市/4回生アンサンブルコンサート
・8月21日:一般公演 @別府フィルハーモニアホール
演奏旅行で最も厳しい部分は実は本番ではない。本番後の練習である。私達大学生は元気だったし、年齢も若い。だがしかし、加減を知らないし、“抜く”ということもできないのだ。つまりは一つの演奏会で全力を出してしまう。当たり前である。
2つのファミリーコンサートは素晴らしい演奏会となった。子どもたちが目を輝かせ、楽しんでくれる。そして、楽器体験では演奏した1-3回生の団員とここには4回生も加わり、全員で中学生たちに楽器の楽しさを伝える。素晴らしい時間を共有した。
そして、、、その幸福感と疲労の後に待っているのが何ともヘビーな一般公演の練習である。一般公演で定期演奏会の全曲を指揮する4回生の学生指揮者の浦と3回生の演奏旅行係のチーフである高田志麻は話し合い、練習中に細かい休憩を挟むことを決める。練習中、疲労から来る眠気で居眠りをしてしまう団員もいた。普段なら怒られるところだが、状況が状況だけに浦も怒る事はせず、「1度だけでいい。ここからここまで集中して演奏しよう。そして5分休憩しよう。」と配慮しながら団員達は重たい身体を引きずるようにしながら、苦行のような練習をこなし、一般公演に備えた。
そして迎えた3日目の本番。つまり演奏旅行の最終公演であり、一般公演日当日である。
団員達には定期演奏会から引っ張ってきた特別な想いがあった。本番直前の舞台袖で緊張に震える団員もいた。フィデリオ、ロメオとジュリエットと素晴らしい演奏が続き、いよいよメインのシベリウス交響曲第2番。学生指揮者の浦にとっては人生初めての交響曲の本番の指揮だ。
「シベリウスの本番の時、浦くんの指揮棒が震えてるのを初めて見た」とコンサートミストレスの大西由利子もそのように語っていた。それだけの団員の想いを知っているだけに、そして“交響曲を指揮する”という重みに“失敗できない”と、緊張したのだろう。こうして、団員全員が一丸となって、心身ともに力を出し切り、演奏旅行は無事全て終演した。
その後の打ち上げの宴会はご想像にお任せする。とにかく楽しくて幸せだった。そこに尽きる。
(94期 Y.U.)