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マイニンゲン劇場の外観 
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マイニンゲン劇場の内部

5月定期プログラムより
(2005年5月10日)

2.ヨーロッパの主要オペラ、オーケストラのホームページ(HP)その2

 先月に続き、今月もヨーロッパのオーケストラ、オペラ劇場のHPアドレスをお届けします。このリストから皆さんの知らないヨーロッパの有力オーケストラ、オペラ劇場にも出会えたのではないでしょうか。HPにアクセスされ既に情報を得た方もいらっしゃるでしょう。このアドレスはすべて九響のHPに掲載されることになっています。今後加わるアドレスを含め、九響のHPからも直接アクセスできるようになります。(海外オーケストラリンク集・目次からお入り下さい。)

 さて、ドイツは中央集権国家ではなく、地方分権国家であり、文化、教育行政は州以下にゆだねています。したがって国立歌劇場も国立大学、国立音大もありません。ドイツのオーケストラの多くは今日、自治体、放送協会から、劇場は自治体から多額の補助金を得て運営されています。今から100年ほど前までは王侯貴族や富裕な商人に支援されたオーケストラ、劇場も、社会の変革で今日では公の強力な支援なしには運営できません。

それから100年、20世紀末のドイツは再統一や世界的な経済の停滞で自治体財政も逼迫し、最近15年ほどは旧東ドイツ地域を中心にオーケストラの統廃合の嵐が吹き荒れました。ただ、これらは小さな自治体が運営していたところがほとんどです。

 小さな自治体というと、人口2万2千人の旧東ドイツ地域に属すマイニンゲンは、かつて指揮者ハンス・フォン・ビューロウに率いられたマイニンゲン宮廷管弦楽団の本拠だった町です。このオーケストラは19世紀後半、スーパー・オーケストラの名声をほしいままにし、ヨーロッパの人気オーケストラでした。その後、このビューロウによって今日のベルリン・フィルの礎石が築かれたことはご存知のはずです。

今日は宮廷こそなく、町も昔の面影を薄めていますが、州と近隣自治体がマイニンゲンの伝統を支え、オーケストラも劇場も健在です。数年前にはワーグナーの≪リング≫連日上演も行い大きな話題になりました。

 ドイツというと、ベルリン等の大都市へ目が行きがちですが、小さな地方都市で音楽、オペラの伝統が脈々と受け継がれていることも見逃せません。ちなみにマイニンゲンの劇場のHPは、http://www.das-meininger-theater.de/です。