■チェロ・指揮 ダーヴィッド・ゲリンガス David Geringas リトアニア生まれ。1963年から1973年まで、モスクワ音楽院でムスティスラフ・ロストロポーヴィチに師事した。1970年、チャイコフスキー・コンクールで第1位金賞を獲得した。2000年からはベルリンのハンス・アイスラー音楽学校でチェロを教えているほか、モスクワ音楽院の名誉教授も務めており、世界各地で若い音楽家のためのマスタークラスも頻繁に行っている。彼の生徒たちのほとんどは、国際コンクールの優勝者や受賞経験者である。 ベルリン・フィル、ミュンヘン・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ドイツのすべての放送交響楽団をはじめ、ウィーン、アムステルダム、ロンドン、パリ、ワルシャワ、サンクトペテルブルク、モスクワ、モントリオール、シカゴ、フィラデルフィア、ピッツバーグ、テル・アヴィヴ、ソウル、東京など、主要都市の著名オーケストラと定期的に共演している。 また、ゲルト・アルブレヒト、ウラディーミル・アシュケナージ、アンドレイ・ボレイコ、チョン・ミョンフン、シャルル・デュトワ、クリストフ・エッシェンバッハ、ウラディーミル・フェドセーエフ、キリル・コンドラシン、ギュンター・ヘルヴィヒ、ジョナサン・ノット、クシシトフ・ペンデレツキ、サイモン・ラトル、エサ=ペッカ・サロネン、ユッカ=ペッカ・サラステ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ、ワシリー・シナイスキー、ユーリ・シモノフ、ユーリ・テミルカーノフ、マイケル・ティルソン=トーマスなど著名指揮者との共演も多い。 2005/06シーズンのハイライトとしては、バイエルン放送響、ウィーン放送響、スイス・ロマンド管、ベルン響、東京フィル、上海響などのオーケストラとの共演のほか、ドイツ、イギリス、フランスの一流音楽祭での演奏があげられる。 これまでに録音したCDは50枚以上にのぼり、『ボッケリーニ:チェロ協奏曲全集』の録音ではフランスのACC大賞に、デュティユーの室内楽ではディアパゾン金賞に輝くなど、数多くの賞を獲得している。1994年にはプフィッツナーのチェロ協奏曲の録音で、チェリストとして初めてドイツ ・レコード批評家賞を授与された。 現代作曲家の作品を世に紹介することにも力を注いでおり、センデロヴァスが彼のために書いた『ハ調の協奏曲』の世界初演は2002年ヨーロッパ作曲家賞を受賞している。この作品は2005年5月に日本初演された。センデロヴァスはまた、2006年にゲリンガスの60歳の誕生日に捧げる『チェロと弦楽四重奏のためのダーヴィドの歌』という作品も作曲しており、ゲリンガス本人によって世界初演された。 室内楽でも国際的に活躍し、高く評価されている。夫人のタチアナ・ゲリンガスやイギリス人ピアニストのイアン・ファウンテンなどがしばしばピアノ伴奏を務めており、2004/2005シーズンにはベルリンのフィルハーモニーホールの室内楽ホールをはじめとした著名ホールにおいて、ファウンテンとの共演による「ベートーヴェン・プラス」と題したコンサート ・シリーズが行われ、大成功を収めた。また、アルテミス弦楽四重奏団、フォーグラー弦楽四重奏団、シュターツカペレ・ベルリンの木管五重奏団とたびたび共演している。 指揮者としての活動も着実に広げており、これまでに北ドイツ・フィルハーモニー・ロストック、MDRライプツィヒ室内フィル、イェナ・フィル、ウィーン響室内オーケストラ(コンサート協会)、デンマーク国立響、アイスランド交響楽団、クレメラータ・バルティカなどのほか、ラトヴィア、イタリア、オランダ、メキシコ、およびコスタリカのオーケストラを指揮している。指揮者としてリリースした最初のCDはル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジク誌のショック賞を受賞。 現在は、ヴィルニュスのリトアニア室内管弦楽団の常任客演指揮者を務めるほか、2006年4月から九州交響楽団の首席客演指揮者として活躍中である。 |
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