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バリトン 三原 剛 Tsuyoshi Mihara

 大阪芸術大学卒業。卒業時に演奏学科長賞受賞。1991年第22回日伊声楽コンコルソ金賞受賞。1992年第61回日本音楽コンクール第1位、同時に増沢賞、福沢賞、木下賞、松下賞を受賞。翌1993年には、第4回五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞し、後に五島記念文化財団奨学生としてケルンに留学する。

 ドイツでは、ベルリン、ライプツィヒでバッハのカンタータ演奏会に出演、ベルリナー・ポスト紙上にて絶賛される。また1995年には、ドイツ・ハーゲン歌劇場でヴェルディ《トロヴァトーレ》のルーナ伯爵役を演じ大成功を収める。

 国内でも、リリング指揮《ヨハネ受難曲》、ヴィンシャーマン指揮《マタイ受難曲》《ヨハネ受難曲》をはじめ、バッハ、ヘンデルなど、バロック期の宗教音楽を中心に多数の演奏会に出演。さらに、国内主要オーケストラとの協演で、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン、ブラームス、フォーレ、ヴェルディ、プッチーニ、マーラー、オルフ、ニールセンなどを歌い、古典派、ロマン派、近代・現代作品へと着実にそのレパートリーを拡げている。

 オペラ公演にも意欲的に出演を果たしており、日生劇場「魔笛」(弁者)、「蝶々夫人」(シャープレス)、「フィガロの結婚」(伯爵)などで好評を博している。2001年には、びわ湖ホールオペラ「アッティラ」においてエツィオ役で出演。朗々たる声のみならず、その役者ぶりでも注目を集めた。

 歌曲の分野でも確実な成長を続けており、「稀に見る逸材」「力に満ちた美声の大器」「大型バリトンの登場」などこれまでに演奏に対して各紙から絶賛を博している。

 他に、第9回新・波の会日本歌曲コンクール第1位及び四家文子特別賞(1992年)、第7回グローバル東敦子賞(1993年)などを受賞。

 NHK「名曲アルバム」をはじめ、ラジオ、テレビでも活躍。2002年には、NHKニューイヤーオペラにも初出演を果たした。

 「木下牧子歌曲集」「アルブレヒト/読響  第九」「秋山/東響  ヤコブの梯子」などのCDに加え、DVD「朝比奈/大阪フィル  第九」にも参加している。

 バリトノ・カヴァリエーレ(騎士的バリトン)と評される豊かで気品にあふれる声の持ち主であり、今後の飛躍が大いに期待される。