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バリトン 福島 明也 Akiya Fukushima

 東京芸術大学卒業。同大学院修了。文化庁オペラ研修所修了。
 第53回日本音楽コンクール入選(木下賞受賞)。
 第54回日本音楽コンクール第1位入賞(福沢賞受賞)。第30回海外派遣コンクール特別表彰。
 1987年から1年間、文化庁派遣芸術家在外研修員としてミラノに留学。
 1992年サンタ・マルゲリータ(イタリア)において開催された第10回Corso di Cantoで第1位、金メダル受賞。
 須賀靖和、森山俊雄、ヴィルジニア・ボッローニ、ジェニー・アンヴェルトの各氏に師事。
 オペラデビューは『ラ・ボエーム』のマルチェロ。二期会デビューは1986年の二期会公演『フィガロの結婚』のアルマヴィーヴァ伯爵。1990年にも同役で出演した。1989年『運命の力』(ヴェルディ)のフラ・メリトーネ、『ハムレット』(トマ)のタイトルロールを高く評価され、第17回ジロー・オペラ賞新人賞を受賞した。1990年二期会創立40周年記念公演『お蝶夫人』のヤクシデを効果的に演じ、同年7月フィンランドのサヴォリンナ・オペラ・フェスティバルでも同役を演じた他、特別演奏会にも出演し、見事な歌唱で絶賛され国際的に高い評価を得た。
 モーツァルト没後200年の1991年には『コシ・ファン・トゥッテ』のグリエルモ、『ドン・ジョヴァンニ』のタイトルロール、『魔笛』の弁者、1992年『夕鶴』(團伊玖磨)の運ず、『なりゆき泥棒』(ロッシーニ)のパルメニオーネ、『セヴィリアの理髪師』のフィガロを演じた。また、秋にはピエロ・カプッチルリ氏の代役としてマカオ国際音楽祭に招聘され、オペラコンサートに出演した。
 1993年『魔笛』のパパゲーノを好演、二期会公演『ラインの黄金』(ワーグナー)のヴォータンで出演。1994年團伊玖磨の新作オペラ『素戔嗚』に太玉で出演、1996年の再演ではタイトルロールを演じ絶賛され、また同年には『ひかりごけ』の船長、『祝い歌が流れる夜に』の金沢公一郎と、次々と日本オペラの大役をつとめた功績に対し第25回ジローオペラ賞大賞を受賞。
 1997年5月には話題の大作オペラ三枝成彰『忠臣蔵』堀部安兵衛役で出演(2000年の再演にも出演)。
 10月には新国立劇場開場記念公演 團伊玖磨『建・TAKERU』にタイトルロールで、1998年1月には長野オリンピック記念オペラ『善光寺物語』に善光役で主演。9月には新国立劇場・二期会共催公演『アラベッラ』マンドリカ役でさらに深みを増した豊かな声を披露した。1999年1月びわ湖ホール『ドン・カルロ』(日本初演)でロドリーゴ役、2月には毎日ソリステンでのリサイタルで大成功を収め、2000年4月には新国・二期会共催公演『サロメ』にヨハナーン役をつとめ絶賛される。また同年8月東フィルオペラコンチェルタンテ『オテロ』にヤーゴ役で出演、役柄に深く入り込んだ心理描写を多彩な音色を自在に操る完璧なテクニックをもって表現し、舞台に緊張感を与え聴衆の大喝采を浴びた。また11月にはG.アルブレヒト指揮読売日響定期、グルリット『ヴォツェック』で大尉役を演じて絶賛された。2001年2月二期会公演『こうもり』ファルケで好演。
 2002年は1月二期会・新国立劇場共催共演公演『忠臣蔵』、2003年二期会『蝶々夫人』シャープレス役、2004年1月二期会・新国立劇場共催公演『鳴神』鳴神上人に出演。コンサートのレパートリーも、「第九」、「メサイア」、「レクイエム」(モーツァルト、ヴェルディ、フォーレ)、「ドイツ・レクイエム」、「カルミナ・ブラーナ」、「戦争レクイエム」等、多岐に渡っている。
 2002年5月には、東京とソウルで開催された第九演奏会のソリストとして、C.デュトワ指揮NHK交響楽団と共演。6月には東京国際音楽祭で、L.マゼール指揮・スーパーワールドオーケストラ第九演奏会にソリストとして出演。また2004年12月にはK.ペンデテツキ指揮「第九」で再びNHK交響楽団と共演している。
 2005年6月二期会『椿姫』にジョルジョ・ジェルモン役で出演。                              

 二期会会員