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ヴァイオリン 徳永二男 Tsugio Tokunaga

 横須賀生まれ。
 ヴァイオリニストの父茂および鷲見三郎氏に師事。桐朋学園大学音楽科入学、齋藤秀雄氏に師事。1966年、当時日本楽壇史上最年少のコンサートマスターとして東京交響楽団に入団。1968年、文化庁在外派遣研修生としてベルリンへ留学、ミシェル・シュヴァルベ氏に師事。1976年、NHK交響楽団のコンサートマスターに就任。その後首席第一コンサートマスターを経て、ソロ・コンサートマスターの重責を担い、長年NHK交響楽団の“顔”として抜群の知名度と人気を誇る。1994年、NHK交響楽団を退団し、ソロ、室内楽に専念している。

 NHK交響楽団在籍時代よりヨーロッパ、アメリカ各地から招かれ、リサイタル及び協奏曲のソリストとして活躍が目立った。とりわけ、ケルンでの現代音楽祭参加、ベルリンの日独センター柿落とし公演でのW.サヴァリッシュ氏との室内楽コンサート、ニューヨークのカーネギーホールでの室内楽コンサートツアーは、それぞれ絶賛を博した。さらに、1992年には早稲田大学交響楽団のヨーロッパ・ツアーのソリストとして同行した。また、サイトウ・キネン・フェスティバルにもたびたび参加している。

 NHK交響楽団退団後は、1995年から東京のJTアートホール室内楽シリーズの音楽監督を務め、1996年からは宮崎国際音楽祭の総合プロデューサーを務めるなど、日本の室内楽の分野における中心的立場を確固たるものとしている。
 一方ソリストとしても数多くのリサイタルを行うほか、国際的人気オーケストラ、モントリオール交響楽団(指揮:シャルル・デュトワ氏)の1996年日本ツアーのソリストに抜擢され、その実力に裏打ちされたダイナミックな演奏が、あらためて各方面から好評を博した。
 近年は、さいたま芸術劇場主催「彩の国ベートーヴェン・シリーズ」における3回に亘るヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会が大きな話題となり、同時にライブ収録されCDも発売された。さらに、2001年には楽壇生活35周年を迎え、それを記念したNHK交響楽団との協奏曲の夕べや、イギリス室内管弦楽団との日本ツアーを行った。

 CDは、ピアニスト・伊藤恵と共演したブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲のほか、パガニーニのカプリースなどがリリースされている(フォンテック)。

 現在、人気、実力ともに日本を代表するヴァイオリニストである。
 国立音楽大学および桐朋学園大学客員教授。