このページを閉じる

ピアノ イム・ドンヒョク Dong-Hyek Lim

 既に観客、批評家、音楽家仲間などから世界屈指のピアニストとして高い評価を受けているイム・ドンヒョクは、1984年、韓国・ソウル生まれ。幼少期は韓国国立音楽院に学んだが、10歳でロシアに移り住みモスクワ中央音楽学校に通い、1998年、同校卒業と同時にモクスワ国立チャイコフスキー音楽学校に入学。レフ・ナウモフ教授に師事した。 

 1996年には「モスクワ若いピアニストのためのショパン国際ピアノコンクール」で2位入賞を果たし、2000年8月には、ブゾーニ国際ピアノコンクールに入賞。同年、浜松国際ピアノコンクールで2位入賞。2001年12月にはパリで行われたロン=ティボー国際ピアノコンクールでプルミエ・グランプリを獲得した。2005年、サムサン文化財団の奨学生としてアリエ・ヴァルディ教授に師事し、ハノーファー音楽大学を卒業。10月には、ショパン国際ピアノコンクールで3位入賞を果たした。

 過去に、モスクワ国立音楽学校、サル・ショパン・プレイエ、パリのシャンゼリゼ劇場、サル・ガヴォー、テル・アヴィヴのマン講堂、ロンドンのウィグモア・ホール、ワルシャワのラズィエンスキ宮殿、ロサンジェルスのウォルト・ディズニー・ホール、ベルリンのコンツェルト・ザール、ブリュッセルのパレ・デ・ボーザール、チューリッヒのトーンハレ、サントリーホール、紀尾井ホール、リオ・デ・ジャネイロ劇場で行われた公演は、いずれも大好評を博した。

 また、スイスのヴェルビエ音楽祭、ドイツのクラヴィエ音楽祭、ポーランドで開かれた第57回ショパン・フェスティヴァル、ラ・ロック・ダンテロン、モンペリエ音楽祭、フランスのピアノ・オー・ジャコバン・フェスティヴァル、スイスのルガーノと別府で行われたマルタ・アルゲリッチ音楽祭など、多数の音楽フェスティヴァルにも出演している。

 今までに、シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団、ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルグ管弦楽団、クルト・マズア指揮フランス国立管弦楽団、ローレンス・フォースターおよびチョン・ミョン・フン指揮フランス国立放送フィル、新日本フィルハーモニー交響楽団、イスラエル管弦楽団とのイスラエル・ツアーなど、著名なオーケストラと共演している。

 また、リンカーン・センターで行われるグレート・パフォーマー・シリーズ、ニューヨークで行われるトロイ・クロマティック・コンサート・シリーズへの出演のほか、ブリュッセルのパレ・デ・ボーザール、東京のサントリーホール、イタリアのイモラで開かれる「チルコラ・デッラ・ムジカ」シリーズ、フランスのビアリッツ・フェスティヴァル、ソウル・アート・センター・コンサート・ホール、マドリッドのナショナル・オーディトリアムのシンフォニー・ホール、スペインのカナリア諸島フェスティヴァル、台北のメトロポリタン・ホールでのリサイタルや、ベルギー国立管弦楽団、モスクワ・アカデミー交響楽団、シンガポール管弦楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団との共演も果たしている。

 2002年にはEMIよりショパン、シューベルト、ラヴェルの楽曲を収録したデビューCDをリリース、9月にはディアパゾン・ドールを受賞した。またショパンの楽曲のみを収録した2作目は、2004年1月にリリースされ、「ハ・モンド・ドゥ・ラ・ミュジーク」誌でショック賞を受賞した。

 「稀に見る最高の資質をそなえた若い音楽家の登場だ。既に成熟し、傑出した貫禄を兼ね備え、同時に選ばれた者だけが持つ品格を漂わせている。…卓抜した才能だ。…表現力の豊かさ、真摯さ、威厳、そして簡素さの狭間を自在に行き来する。」(2002年ディアパゾン誌) 

 「本物の音楽が生まれるときに放つ眩い光を、彼は内包している。詩情と明朗闊達さが絶妙なバランスで保たれ、それによって全ての演奏に流麗さが生まれる。…もはや過去の「巨匠」たちとは比べまい。その演奏の美と、容易さと自然に、私は跪く。」(2002年10月号BBCミュージック・マガジン)