第1回


第1章 音楽事始め
 小学校1年生の頃から、体育と音楽は、「1,2」ばかり。
チェロも、ヴィオラも吹くものだと、思いこんでいたくらいの知識でしかなかった。
 ぼくが、クラシック音楽に興味が出たのは、小学校6年の頃、テレビで第9を見たのが、最初だったと思う。実に、長い曲だとわかったのは、当時、3,000円ぐらいの1時間テープを買って録音を試みて、最後まで、入らなかったからわかった。
 何回聴いても、最後の最後が聴けないため、親におこずかいを頼みこんで、レコードを買いに行った。当時、久留米には、R レコード店と言うクラシック専門のレコード屋があり、その店でかかっていた、新世界を買った。「当時無名のリッカルド・ムーティ」。町のゴム工場で夕方5時に鳴っていたサイレンの「家路」の曲が気に入り、ドヴォルザークの第9を買ってしまった。親が電蓄を買って、合唱を期待していたのに、新世界を買ってきたのだった。その後、第9を買ってくるから、と言って、ほかの曲を買ってきて、第9は、数年後の何十数枚後になってしまった。。
 LPレコードの曲目解説を見るうちに、シンコペーションとか、コーダーとか、アダージョとか、グリッサンドとかが何かを知りたくなった。授業では、習ったことがあるのだろうが、そんなものは、頭の片隅にもない。独学で始めたので、参考になればと、スコアを集め始めた。これも、偶然楽器屋にあったのをみて、レコードの曲目解説の理解する参考書として集めた。音楽用語の知識は、少しずつ身に付いたが、音符が読めて、歌やリコーダーが弾けるまでではなかった。
 この頃、6年生で同じクラスの一人、徹くんが登校拒否をしていた。この徹くんは、ぼくの家の近くのため、担任の先生に頼まれて、毎日徹くんのうちに、給食の食パンと、宿題の手渡しと、あしたの連絡をしに、通うことになった。今から思えば、かれとの出会いがなければ、チェロも弾いていなかっただろう。


戻る