第4回


第4章 最初の楽器 
 入部したその日から、練習が始まった。
 今から当時を考えると、弦は数年変えてなくて、一番安い弦。
弓の毛替えも、数年はしていない。
松ヤニも、いつ買ったか分からないくらいぼろぼろに砕けている。
なおかつ、楽器があちこと割れている。
しかたがない、数年間だれも弾いていない楽器だから。
 ヴァイオリンの部員の楽器は、しょっちゅう弦が切れていたので、
新しい弦にしょっちゅう替わっているようにみえた。
弦の購入は、何割か個人負担して買い替えていたと思う。
チェロの弦はなかなか切れないので、在学中は、弦は替えなくていいと思った。
とても、得な楽器を弾いた物だと嬉しかった。
けれども、「時々、弦は替えなければいけない」と言うことを教えられるまでの間だった。
余談になるが、初めて弦を1セット分、自分で買ったときは、1万円以上で、
すごく大変な買い物をしたと思った。
(いまは、3〜4ヶ月で2万円以上弦代を使い、弓の毛替えと並び、自分のお小遣いを圧迫している。)
 弓も毛を張るためにねじを廻すと、ほんとうに、矢が飛びそうに、円弧になった。
そんな弓で、音を出すためには、弓圧をかけるしかなく、弓や右手の重心が足らない分だけ、押さえつけて、弾くことになる。人一倍練習熱心なぼくは、未だに、この時の悪い癖がなかなか抜けていない。


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