第6章 メトロノームでの練習
ウェルナーという、教則本を、させられた。
チェロを弾く人は、必ず弾くことになるエチュードだそうだ。
1冊の本を、相棒の一郎くんと一緒に見て取り組んだ。
移弦、音階を初めて習った。
「ドーソー、ドーソー」「ソーレー、ソーレー」「レーラー、レーラー」上降系の移弦と、
「ラーレー、ラーレー」「レーソー、レーソー」「ソードー、ソードー」下降系の移弦までは、すごく弾けるようで、楽しかった。
ある日の事、OGの先輩が来て、「メトロノームを使っておなじテンポで練習しなさい。」と、言われ、はじめて、移弦するタイミングが思い通りにはならないことを知った。
そういえば、みんなほかのパートの新入生は、「キン、コン、コン」という音のタイミングで、練習していた。
それから次の日に、メトロノームを使うこととなった。
ゼンマイ式で、振り子が付いていた。
新入生のみんなが使うので、取り合いになったが、強くいえない性格だったので、いつも譲って、とられていた。
「余り物には、福がなかった」
残っていたのは、一定のリズムを刻めないものか、重りがないのかしかなかったので、
結局メトロノームは、余り使わなかった。
そのうち、音階を習った。
ファーストポジションという左手の位置で、「ドレミファ、ソラシド、レミファソ、ラシドレ」「レドシラ、ソファミレ、ドシラソ、ファミレド」というように音階をやった。
毎日気の遠くなるまで、やったような気がする。
でも、僕には、絶対音感は、なかった。
OBの先輩が、「フラジオレットや開放弦で、音を確かめるといいよ。」と、
助言してくれた。
けれども、ファとシだけは、それがなかったので、悩んだ。
ところで、音階を確かめるため、練習が終わり、学校から家に帰ってよく、
家にある唯一の楽器である、小学校の教材のリコーダーで音階を弾いて確かめていた。
小学校のころから、リコーダーを弾くのは好きだったが、
チューニングメーターが今ほど安くないときのことだった。
ちなみに、現在は、音階の練習は、チューニングメーターで、音階は確かめている。
ほんとうに、耳で聞き分けられる日を願って。