第8章 最初の弦分奏
2年生は12人いたが、新入部員は僕を含め、24人いた。
男は、そのうち、14人。
個性的なメンバーだった。
なかでも、小学校からヴァイオリンを弾いている潤くんとは、
すぐに友達になった。
チャイコの難解な臨時記号だらけの譜面は、かなり教えてもらった。
チャイコの楽譜は、ダブルシャープやダブルフラットを含んだ臨時記号が、
「ちらし寿司の具」のように、並んでいる楽譜のイメージだったと思う。
練習してみると、ほとんどが、ハ長調ではないスケールだった。
特にダブルシャープやダブルフラットは、初心者には非常に難解な記号で、
わざわざ楽譜のお玉杓子を2度上げたり下げたりして、書き直したものだった。
おかげさまで、浄書(楽譜を書くこと)の稽古ができた。
但し、他の人の楽譜は読めなかった。
定演の曲の楽譜が来て、急に練習が、にぎやかになった。
その上、新たに、弦トレーナーとして、OGでヴァイオリンのK先輩が就任した。
最初の弦分奏は、チャイコの1楽章の序奏の和音を何度もやった。
なかなか、アレグロに入らず、とうとう時間が、終わった。
長い時間だった。つらかった。
ほとんどが、チェロの一年生二人の時間だった。
僕と相棒に、一言、「君たち、音程とリズムが、足して2で割ると、ちょうどいいのにね。」
つらい戦いの、始まりだった。
終わり近くになって、テレビドラマのヒーローのようなOBの心強い先輩が助けに来てくれた。
このように、現役生徒の練習の活気がでてきたが、クラブの演奏会を含めた存続問題が、存在した。
詳細の説明は、公の場では述べられないが、
当時の学校長の不理解が、多分にあった。
演奏会が学校主催でできないため、いろいろ関係の諸先輩方が苦労されて、
OB会が発足し、OB主催とのことで、決着した。