名古屋大学古楽研究会:The early music club of Nagoya University

3 古楽器紹介

チェンバロ cembalo = harpsichord

チェンバロは、15世紀はじめに誕生したといわれる鍵盤楽器です。16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパ各国の王宮や貴族社会で活躍していました。

当時、チェンバロはそのクリアで華やかな音色はもちろんのこと、装飾などの見た目においても人々を楽しませる存在でした。ハープシコードやクラヴサンなどというように呼び名が国によって違い、楽器としての特徴も時代や地域によってかなり異なっています。

チェンバロの外見は現在のピアノに似ていますが、両者の音の出し方は大きく異なっています。ピアノは、鍵盤をたたくとフェルトをかぶせた木製のハンマーが持ち上がって弦を打ち、振動させて音を出します。それに対してチェンバロは、爪で弦を引っかき、振動させることによって音を出します。従ってチェンバロは些細な強弱の変化しかつけられませんが、鍵盤へのタッチの仕方でさまざまな音色を出すことができます。チェンバロの音色は絃楽器とよく溶け合います。

ピアノの発展と普及に押される形で数十年の間、忘れられた楽器となっていたチェンバロですが、博物館にあった楽器などを参考に19世紀末から復興の試みが始まり、20世紀後半には他の古楽器とともに見直され、演奏される機会も増えていきました。

同属の楽器として、スピネット spinet やヴァージナル virginal といった小型チェンバロも存在します。

チェンバロについては、ウィキペディアの記事が充実しているのでおすすめです。


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