古楽研所有のソプラノとアルトのクルムホルン。アルトのキャップは外して、中のリードが見えるように撮影。
クルムホルンは、複簧(=ダブルリード)の木管楽器で、ルネサンス時代に一般的でした。音量は大きくありませんが、チャルメラやバグパイプに似た「ビー」というユーモラスな音を出します。
円筒管の下部が蝙蝠傘のようにJの字に曲がっており、リードには吹き込み口の附いたキャップが填めてあるのが特徴です。
演奏者は、吹き込み口にリコーダーのように口を附け、息を強く吹き込むことで音を出します。息の強さの変化によって音程が大きく変わりやすいので音感を必要とします。高い圧力により鼓膜を痛める人もいます。
このようなリード・キャップ楽器は倍音を出すのが困難で、その結果として音域は狭く、約9度です。ソプラノ、アルト、テナー、バスといった各音域の楽器が別々に存在し、アンサンブルが行われていました。