コラム : 第20回定期演奏会開催記念企画(その2)
20回を振り返ってのぶっちゃけトーク(内部告発とも言う?) −imaiz− |
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このオーケストラで、1回を除いて全ての演奏会に出ていますので、「20回の演奏会を語れ」とお鉢が回ってきました。
もともとは東京都北区西ヶ原にあった東京外国語大学のOBが集まって、マーラーの交響曲第1番を演奏しようということで作られたオーケストラです。
どうしてマーラーの1番かと言うのは話すと長いのですが、まあ、現役時代の恨み、ということだけ言っておきましょう。ふふふ(謎)。
この頃から何となくチャレンジング精神がそこはかとなく発揮されていて、メンバーは当時からほとんどが入れ替わっているのに、
「何かやってやろう」的なノリが今に至るまで踏襲されているのは不思議ですね。これがオーケストラのカラーというものなのでしょう。
第2回の『火の鳥』で懲りずに第3回の『ドン・フアン』で徹底的に打ちのめされたりとか。それ以来、うちのオケでR.シュトラウスは禁句なんです(笑)。
今回の『セレナーデ』は本当に久しぶり(かなり別物ですので)。
第4回でもショスタコーヴィチをやるのはいいけれど、何をどう思ったかあまりメジャーとは言えない6番をやったりとか。
最も特徴的なのは、なんと言っても第5回。『ミシシッピ組曲』って知っている人は少ないかもしれませんが、ある年代以上の人は聴けばツボにはまるはず。
《アメリカ横断ウルトラクイズ》で「ハイ、抜けた!」とかのシーンで使われた音楽のオリジナル曲です。
『ウェーバーの主題による〜』もおバカな曲ですけど、こういうノリはかなり肌に合うようで、実はメインのはずのブラームスが疎かになったりとか(シー!)。
次の第6回はほとんど「名曲コンサート」。変わり種が出尽くすと超定番に戻るというパターンは何度か繰り返されますね。
ああでも、チャイコフスキーとかドヴォルザークとか、何気に得意レパートリーのような気が……。『シェヘラザード』は面白かったけれど、
なぜメインがベートーヴェンの8番なのか理解に苦しむところ。そういえばここから「東京外国語大学OB管弦楽団」という長ったらしい名前から
「ウェストフィールド管弦楽団(略称:WFO)」に名称変更し、OBオケからの脱却を図ったりもしました。
でも“Westfield”は当時東京外国語大学があった地名“西ヶ原”を単純に英訳したものだったり。
第8回で初シベリウスでした。それも5番。個人的な話ですみませんが、私、シベリウス大好きなんです。
話は飛びますが第16回でやった3番はしびれました。で、何を血迷ったか次の第9回ではショスタコーヴィチの8番というトンデモ曲に挑戦。
先日演奏会で久しぶりに聴きましたが、やっぱりイマイチ理解できなかった(苦笑)。
でも、これが意外や名演(=迷演)で、以後「WFOといえばショスタコーヴィチ」という評判できたとかできなかったとか
(間違っても「ショスタコーヴィチといえばWFO」ではないのでご注意を)。
何回かショスタコやらないと、「ショスタコーヴィチが足りない!」とか叫び出すメンバー複数)。
長年トレーナとしてお世話になっているN響ヴィオラ(よく最前列でテレビに映ってるあの人です)
の小野先生をソリストに迎えた第10回のウォルトン/ヴィオラ協奏曲は素敵でした。
第11回の『ロメオとジュリエット』(抜粋)は、バレエ・ファンの多いこのオケならではのこだわりのプログラム。しかし難しかった!
ヴィオラ協奏曲で調子に乗って(一部の暴走によるとも言われていますが)今度は新日本フィルのチェリスト、
花崎先生をソリストに迎えてエルガーのチェロ協奏曲を演奏。でもメインはやっぱりチャイコ。バカ騒ぎ大好き!?
さて「定期的に大曲がやりたい病」にほんのりと侵されている(?)WFOが次に挑んだのはブルックナーの8番。
弦も、管も、体力の限界と戦いながらの演奏でしたが、これがまた「好演」との評判。
そんなに人の多いオケじゃないのにようやるわ(と思っていたら今回また、ですからね)。大曲だと個人技がごまかせるからイイのか?
前回の反動か、第14回はファミリーコンサート的なノリのプログラムでした(まあ、反動でしょうね)。
第15回は自画自賛ですが美しいプログラムで、実は初めてフランス物に挑戦。それもオール・フランス。
「洒落た曲が苦手」なWFOが一歩成長したとかしなかったとか。第16回もマニアックですよ。『ヘリオス』って誰か知ってます?
いや、本当に良い曲なんですけどね。あと、シベリウスの3番。たまりません。ごく一部の北欧音楽マニアのおかげでこのプログラムとなりましたとさ(私じゃありませんよ)。
ブラームスの4番とも相まって、ほの暗く叙情的な素敵なプログラムでしたが、どこからか「ブラームスはやっぱり不得手」という囁きも……。
で、やってきました。お得意ものを並べた第17回のショスタコ&チャイコ・プロ。『悲愴』は定演で2回取り上げた数少ない曲です。
ちなみにあとはワーグナー『ジークフリート牧歌』のみ。これもちょっと意外ですが。
で、またブルックナーの、今度は『ロマンティック』。どうもブルックナーってガラじゃないような気もするのですが、
やってみると不思議としっくり来るみたいですね。第19回はプーランクに挑戦、というのが一つのトピックでしたが、こういう洒落た曲は……(ムニャムニャ)。
演っていて面白かったですが。シベリウスもこれで1、3、5を制覇。次は7番……のわけないか。
こんな感じかな。あ、ヤバそうな話があったら消しといてね〜。
(imaiz)
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【これまでのプログラム】
■第1回 ワーグナー:「リエンツィ」序曲 ワーグナー:ジークフリート牧歌 マーラー:交響曲第1番
■第2回 チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版) チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
■第3回 メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」 R.シュトラウス:交響詩「ドン・フアン」 ブラームス:交響曲第1番
■第4回 ベートーヴェン:交響曲第7番 ショスタコーヴィチ::交響曲第6番
■第5回 グローフェ:ミシシッピ組曲 ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 ブラームス:交響曲第3番
■第6回 チャイコフスキー:イタリア奇想曲 チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」 ドヴォルザーク:交響曲第7番
■第7回 R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 ベートーヴェン:交響曲第8番
■第8回 リスト:交響詩「レ=プレリュード」 ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 シベリウス:交響曲第5番
■第9回 モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」 ショスタコーヴィチ:交響曲第8番
■第10回 ディーリアス:間奏曲「楽園への道」 ウォルトン:ヴィオラ協奏曲 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
■第11回 モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」 プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」(組曲版より抜粋)
■第12回 メンデルスゾーン:歌劇「真夏の夜の夢」序曲 エルガー:チェロ協奏曲 チャイコフスキー:交響曲第4番
■第13回 ワーグナー:ジークフリート牧歌 ブルックナー:交響曲第8番
■第14回 ウォルトン:「リチャードIII世」前奏曲 コープランド:バレエ音楽「ロデオ」 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
■第15回 ラヴェル:古風なメヌエット ドビュッシー:交響詩「海」 フランク:交響曲
■第16回 ニールセン:序曲「ヘリオス」 シベリウス:交響曲第3番 ブラームス:交響曲第4番
■第17回 ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
■第18回 モーツァルト:交響曲第31番「パリ」 ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
■第19回 ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲 プーランク:シンフォニエッタ シベリウス:交響曲第1番
■第20回 J.シュトラウス:喜歌劇「こうもり」序曲 R.シュトラウス:13管楽器のためのセレナーデ マーラー:交響曲第5番
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