<<愛響とわたし>>2000年定期演奏会プログラムから



和田さ一ん、ちょっとおいで  和田佳子(パーカッション)

 忘れもしない中学2年の7月のある日の放課後。名前を呼ばれ振り向くと、吹奏楽部の顧間でもあったクラス担任がにこやかに手招きしていた。何の疑問も持たず、ほいほいと付いて行ってしまったのが全ての始まり(運の尽きか?)。連れていかれたのは音楽室。とある行事を前に人数が揃わないので手伝ってほしいと言うことだったのだが、「これ、たたいて」と、いきなり2つ並んだお碗型のタイコの前に立たされた。「マレット(ばち)はこう持ってこうたたく。分かった?楽譜はこれ。音は合わせてあるから」「????」状況が把握できないうちにマレットを握らされ、そのまま合奏に突入!<ピアノを習っているから楽譜は読める>が、スカウト(?)の理由だったのだろうが、それにしても何と無茶な…。ともかく、手招きに応えたばっかりに、この日、それまで見たこともなかったティンパニなるタイコと劇的な遭遇をしてしまい、更にこの数日後、これに追い打ちをかけるように、今度は“合奏中にヘッドをたたき破る!”という希有な事故に見舞われた結果、私は打楽器から足が洗えなくなってしまったわけである。
 以来20ン年、期間限定お手伝いだったはずの吹奏楽を高校でも続け、大学でオーケストラを知り、いつのまにか愛響の団員になってしまって、今夜、こうして、若林顕氏の後ろでティンパニをたたくのはこれが2度目だったりする幸せな現在に至ることになろうとは、手招きした先生だって想像すらしなかったに違いない。
 実は、愛響も10周年記念演奏会を手伝うだけの筈が、今日まで続いているのである一。“最小限の労力で最大限”に目立ったり、それ故“走る電車に飛び乗るようなスリルとサスペンス”に満ちていたりする打楽器の面白さを、ときにお気楽に、ときに頭にハゲを作り胃に穴を開ける思いで七転八倒しながら堪能させてもらえるばかりか、お花見の席であの池辺晋一郎氏のナマの洒落が聞けたりするこの愛響で、これからも、いろんな打楽器をたたいでいきたい。



愛するモーツァルト  柏木真佐子(ヴァイオリン)

 「いってらっしゃい。お土産買ってきてね」と、愛響の練習に送り出されてはや4年。当時小学2年と4年だった息子たちも大きくなりました。
 私自身、幼少期はご多分にもれずピアノをせっせと練習。モーツァルトのソナタが弾けだした頃、ヴァイオリンに出会いました。ものになるかと思いきや、花の女子大時代は神戸の街で遊ぴまわり、楽器から遠ざかりました。
 結婚して初めて四国に足を踏み入れ、すぐに育児に突入。公園とスーパーに通う毎日でしたが、そのころ愛響を知り入団したくなったのです。すぐにヴァイオリンのレッスンを再開。そしてやっと念願の愛響に入団することが出来ました。
 モーツァルトが大好きです。心が落ち着きます。愛響に入ってから何曲か弾かせていただきました。でも弾いてみると、とても難しい。がむしゃらに弾くと下品なモーツァルトになります。愛響での指導も厳しいです。上品なモーツァルトを奏でるためには、音楽の技術だけでなく色々なことに興味を待って、自分を磨かなくてはなりません。まだまだ良い音は出ませんが、努力していこうと思います。
 毎週土曜の夜の練習に参加するのは、主婦にとって大変です。晩御飯は手抜き。カレーやチャーハンが定番です。が、主人をはじめ子供たちは、文句も言わず温かく見送ってくれます。練習では良き仲間に恵まれ、様々な楽器の音色も楽しめ、充実した時間を過ごすことができます。そして、お土産をねだっていた息子たちも、今ではお茶碗洗って、練習帰りの私を迎えてくれるようになりました。定期演奏会、サマーコンサートにはいつも聴きにきてくれます。皆に感謝しつつ、モーツァルトだけを愛するのではなく、これからも色々な曲にチャレンジしていきたいと思います。


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