<<愛響とわたし>>1995年第23回定期演奏会プログラムから



「縁」ということ  室 孝明(ヴィオラ)

 私がヴィオラを始めたのは、大学1年のこと。オーケストラの楽器など全くできなかったのだが、大学オーケストラの勧誘を受けて、「素人でもついていける楽器」として紹介されたのがヴィオラとチェロだった。
 というのは、ヴァイオリンは子供の頃から習っているのがけっこういるし、管楽器はブラスバンドなどでの経験者が多いので水準が高い、ヴィオラかチェロならなんとかなるとのことだった。
 私は、チェロは楽器が大きくて持ち運びも大変そうだし、ヴィオラぐらいならいいんじやないかという、ひどくいい加減な理由でこの楽器を選んだものだが、結果的にはそれは大正解だった。
 これはヴァイオリンやチェロに比べると地味めで、でも実はオーケストラの中で何がおこっているか一番よく見渡せるところにいて、普段は何をやってるんだか傍目にはよくわからないけど、時々断固として自己主張したりする、実におもしろいパートなのである。私はこの楽器が大いに気に入って、随分長いつきあいになってしまったが、そのうちだんだん人間がヴィオラみたいになってきたのは、我ながら予期せぬ事態ではあった。
 さて、私が松山に初めて来たのは、何とこの学生オーケストラの団員として演奏旅行に来た時のことで、この松山市民会館大ホールがその会場だったのである。
 ただ、その時は演奏のできがあまり良くなかったもので、指揮者が指揮台から陳謝するという椿事が発生して、大変記憶に残る演奏会になってしまった。(本日のお客様でその時の聴衆の方がいらしたら、重ねてお詫び申し上げます!)
 その後、就職して岡山にいた当時、倉敷の楽団で弾いていたことがあるが、その頃松山でも市民オーケストラが目ざましい活動をしているという話は、聞いたことがあった。
 それから十数年間あちこちを転勤して、幸いその先々で市民オーケストラに加わることができた。そして昨年松山に来たとき、転居の挨拶状を出したら、倉敷の楽団の団長から「ぜひ愛媛交響楽団に弾きにいってごらんなさい」としたためた返事が来た。
 私も愛響のメンバーとしてはまだl年そこそこのことではあるが、もっと前から何か隠れた縁があったのかもしれないと、思うことしきりである。



愛響とわたしたち 採田賢志(コントラバス) 博恵(ヴァイオリン)

 関西出身の私達が愛響に入って丸三年がたちましたが、創立以来おられる方や、長くおられる方々からすると、まだまだ幼稚園にも行くか行かないかくらいの私達が愛響について書くなど、おこがましいとは思うのですが、愛響について少し。
 松山に転勤してきて最初にしたことと言えば、愛響の定期演奏会を聴きに行ったことでした。その時は、ちょうど今回の指揮者、小田野先生のべ一トーヴェンの「英雄」でした。まず驚いたのは、テレビカメラがあったこと。次に、お客さんが多いこと。
 今になってわかったのですが、愛響を運営してこられたスタッフの人たちのマネージメントのすごさ、人脈、地元とのつながりの強さ、そして何よりお客さんの応援・‐…・。こんなアマチュアオーケストラはなかなかないのではないでしょうか。
 しかし一方では、県内のフルオーケストラといえば、愛響と愛媛大学のオーケストラ位です。都会では電車の駅ごとにオーケストラがあると言われるほどです。数が多いのがいいのか、少ない方がいいのかは判りませんが愛響のようなオーケストラには、ありとあらゆる人たちが集まってきます。音大を出た人もいますし、仕事もそこそこに音楽に熱中している人もいます。逆に楽しく弾ければいいという人もいます。そう、愛響は人種のるつぼなのです。そのような団体だと、きっとひとつにまとまるのは難しいことだと思いますが、不思議と愛響はうまくからみあって、いい味を出しています。結局のところ、そんな愛響が好さで音楽を続けています。
 ところで、アマチュアオーケストラの楽しみといったら何だと思いますか。もちろん、プロのような完壁な演奏ができるわけではありません。年に数回の演奏会のために半年も練習してやっと本番を迎えた時の喜びと緊張感、そこから生まれる情熱とパワー。これこそがアマチュアオーケストラの醍醐味だと思うのです。ですからお客さんにお願いです。決してアマチュアオーケストラを聴きに行かれた時、ヘタだったとか、あそこでラッパがおちた・…一といった聴き方はなさらないでくださいね。その演奏会に対する団員たちの情熱を音から感じてみてください。愛響にもその力は十分すぎるほどあると思いますから。
 今日もきっと、いくつか、背筋がゾクッとする瞬間がくると信じて、演奏しようと思います。是非、ごゆっくりお聴きください。
   兄「さあ、ブリブリひくでえ〜。」
   妹「ppも忘れたらあかんよ♪」


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