麻生フィルハーモニー管弦楽団
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ライヴ・レポート〜演奏会を終えて〜Vol.1
麻生フィル特別演奏会−金井宏道氏を偲んで− 2002年3月17日(日) 多摩市民館ホール
「世界の小川典子」との、まさに夢の共演が、14年の時を超えて実現!
 去る3月17日(日)、ピアニストに小川典子さんを迎えて、「特別演奏会〜金井宏道氏を偲んで〜」を行いました。

 麻生フィル設立に中心的な役割を果たし、同時に地元の小川典子さんを早くから見出して応援していた金井氏を偲ぶこのコンサートには、氏の双子のご子息や、指揮台に登った初代インスペクターの柏木氏らをはじめ、今は各個の事情で退団してしまった設立当初の懐かしい顔ぶれが多数出演しました。そのせいか、「追悼コンサート」という寂しさ、悲しさよりも、まるで法事で久しぶりに親族が一堂に会した時のような、不思議な幸福感に包まれました。

 小川さんのピアノの素晴らしさを私ごときが言葉で現すのは畏れ多いのですが、やはり一音一音の音色の素晴らしさに加え、それが速いスケールなどでも決して陰ることなく、まるで一粒ひとつぶが最高に美しい真珠のネックレスのようで、もうため息しきりでした。麻生フィルとの息もピッタリだったように感じたのは、きっと小川さんが麻生フィルの演奏に「つけて」下さっていたのでしょう。

 金井氏の奥様も出席された終演後のレセプションで小川さんは、「柏木さんの、最後の一音まで諦めない姿勢に感銘を受けた。練習ではあまりにも辛辣な言葉を団員の皆さんに投げつけるので、あんまりではないか、と思っていましたが…」と挨拶して一同の爆笑を呼び、最後に「金井さんが聴いていたらどんなに喜んで下さったか…」と話されました。これに応えて、金井氏のご子息でコンサートマスターを務めた紀人氏が、「きっと天国で聴いていたはず。いや、地獄かもしれませんが…」と話し、会場は再びの爆笑に包まれました。

 本当に、麻生フィルで音楽が出来る喜びと、金井氏への感謝の気持ちで全員が幸福感に満たされた今回のコンサート。20周年を来年に控えた今、初心を思い起こし、より深く音楽を楽しみ、より一層地域に親しまれるオーケストラを目指そうと、出演しなかった私も思いを新たにした1日でした。
(レポート:倉田典明)
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