麻生フィルハーモニー管弦楽団
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ライヴ・レポート〜演奏会を終えて〜Vol.5
第37回定期演奏会 創立20周年記念コンサートT 2003年4月13日(日) 横浜みなとみらいホール
 やって来ました横浜みなとみらいホール!

 20周年ということで、奮発して前日からホールを借りた我々は、冷たい雨の降る中、初の本格的クラシック専用ホールでの開催に期待を膨らませて集合。ステージに入ったとたん、高〜い天井、そびえ立つパイプオルガン等がかもし出す雰囲気に圧倒されてしまい、みんな修学旅行で初めて華厳の滝を見た小学生のように浮き足立っています。ふと気がつけば、みんな手に手にカメラやビデオを持って記念撮影を始め、もうお上りさん丸出し…。これからゲネプロだというのに…。
 さて、観光気分を抑え込んで、いよいよチューニング開始。最初の音を出したとたん、さすがはクラシック専用という心地よい残響が客席に響きます。オーケストラに最適な半円形に組まれた山台も、団員同士の顔が見やすくアンサンブルもしやすい感じ。そのせいか、みんなの集中力まで変わったような気さえして、いつになく好感触で前日の練習は終わりました。翌日の天気予報も良いし、あとはお客様がたくさん入ることを祈るだけ…。

 本番当日は、前日とは打って変わって絶好のお出かけ日よりとなりました。地元麻生から遠く離れた桜木町、いったいどれだけのお客様が聴きに来て下さるものか、それが一番の心配でしたが、フタを開けてみたら指定券引き替え開始時刻の13:00を待たずにロビーは長蛇の列、開演直前には1階席はほぼ満席、2階席も空席の方が少ない状況で、いつもの倍の収容人員のホールが十分にサマになっています!感激!

 素晴らしいコンサートホール、たくさんのお客様、開演直前の舞台上の緊張感が、何かいつもとは違います。もちろん、本番はいつも緊張して集中していますが、それに加えて、しばらく味わっていなかった「あがる」という感覚が、みんなの足元を少し不安定にしているのが分かります。

 いよいよ始まった演奏は、演奏しながらにして、麻生フィル20年の歴史の中でも屈指の出来であることが、手前味噌ながら分かります。分かりますが、まるで初舞台のように「初々しい」精神状態になってしまったせいか、練習では一度も犯したことのないようなミスをする者も続出。私の席の周りでも、そして私自身も…。

 しかし今回はここからがいつもと違いました。せっかく良い演奏が出来ているのだから、1つや2つのミスにくよくよしているヒマはない、ミスをしてもみんな積極性が落ちず、アンコール曲「火の鳥」の、最後のロ長調の和音の残響が消えるまで、集中して演奏しきることができました。大きく暖かい拍手を下さった皆様、ありがとうございました。
 個人的に返す返すも残念だったのは、小川典子さんの「皇帝」を生で聴くことが出来なかったこと。私(トロンボーン)は出番もなかったので、楽屋でモニターで見ていました。 もちろんこの日一番の大拍手。聴きたかったなー。録音が出来上がるのが楽しみです。

 さて、終演後に三石先生と奥様、歴代団長も列席して行われた打ち上げでは、いつも必ず一つか二つは辛口のコメントを下さる三石先生が、何とこの日は「今日の皆さんには言うことはありません。素晴らしかった!」。麻生フィルは三石先生には19年間(つまり創立以来)ご指導をいただいていますが、こんなことは初めて。20周年のご祝儀だったとしても嬉しかったです。今後ともご指導よろしくお願いいたします。
 このように、素晴らしい先生やソリスト、多くのお客様に恵まれて、無事成功裏に終わった20周年記念コンサート。しかし、今の麻生フィルには気が抜けてしまったような雰囲気は全くありません。このあとすぐ6月には「ボレロ」に初挑戦するファミリーコンサート、大曲、ブルックナーの交響曲第8番を取り上げる秋の定期演奏会、さらに今年は川崎市民第9演奏会も控えているのです。来年には川崎駅西口に、みなとみらいホールにも負けないようなコンサートホールもオープンします。

 盛り上がるのはまだまだこれから。「成人」した麻生フィルの今後の活動に、ますますご期待下さい!
(レポート:倉田典明)
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