麻生フィルハーモニー管弦楽団
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ライヴ・レポート〜演奏会を終えて〜Vol.8
かわさき市民第九コンサート 2003年12月14日(日) 川崎市教育文化会館
年の瀬、忙しい毎日です。私の周りの皆さんは本当に一生懸命働いていて、頭が下がります。
そんな中、今年は麻生フィルが「川崎市民第九コンサート」の当番となりました。筆者は本拠オケでは初めての第九です。20周年記念コンサートに引き続き、小田野宏之先生のご指導の元、麻生フィルは夏から練習を重ねてきました。
さぁ、どんなコンサートになったのでしょうか…。

 12月14日(日)、天気にも恵まれ、川崎駅に到着。駅から歩いて15分、川崎市教育文化会館へ向かいます。200人あまりの合唱団の方々と共に舞台に乗るとなると、お昼ご飯を買うのも近くのコンビにでは一苦労だ、ということでお昼ご飯を買って会場に向かいました。

 しかし…会場となった教育文化会館はなんとも複雑な作りになっていて、私はなんども迷子になってしまいました。やっとホールにたどり着くとすでに譜面に向かっている団員がたくさん。この「第九」に対する心意気を感じます。
 午前中はオケだけのステージリハーサルで、大学祝典序曲と、第九の1楽章〜3楽章までほぼぶっ通しです。小田野先生は「良いんじゃない?」と褒めてくださいました。(ワーイ!)果たしてこの成果が本番で発揮できるのでしょうか。
 さて、昼休みです。

 余談ですが・・・

 「あ!歯ブラシ忘れた!」という友達に付き合って昼休みに近くのコンビニに行くと、いるいる、合唱団の人たちがわんさか。そこに駆けつけた我が麻生フィルの"お昼ご飯を買わずに来た"団員が肩を落として「どこ行こうか。。。」なぞとぼやいていました。彼らがお昼を食べたかどうかは…未だ分かりません。

 午後になりました。いよいよ合唱合わせです。
 合唱団の皆さんと初めての練習のときは、オケとの相性も「ん?」と思うくらいで、正直不安でしたが、練習を重ねるごとに合唱団はめきめきと腕を上げて、それはそれは中身の濃い合唱団に成長していった感覚がありました。(私が言うのもおこがましいですが。)
 ソリストの方々も絶好調です。4楽章もほぼノンストップで通して、すがすがしい気持ちでリハーサル終了です!残すは本番のみ!

 着替えた後、舞台袖に集合。お客様はほぼ満員。川崎第九も知名度が上がっている証拠、とも言えます。

 本番は大学祝典序曲からです。実は曲の途中、ちょっとしたハプニングがありました。そこで小田野先生がオケをパッとひとつにして下さいました。そこからの団員の立ち直りと集中力は見事なもので、とても完成度の高い一曲になったと思いました。(そうですよね、みなさん!)

 第九は、好調な滑り出しで、とても美しい一楽章と二楽章を演奏することができました。
 第九は3楽章に入る前、合唱団が舞台に入ってきます。その間はオーケストラにとっては少の休憩時間になります。実はそのとき、小田野先生がコソっと一言「ビールが飲みたい・・・。」(管楽器の人たちには聞こえなかったかも?)と。この発言で、少なくとも私たち弦楽器の人たちは、良い意味で力が抜けて緊張がほぐれたのです。(^^)「間違えたらどうしよう」とか、「大丈夫かな」という雑念が抜けて、のびのびとした三楽章にすることが出来ました。
 いよいよ四楽章、第九のクライマックスです。チェロの力に導かれ、盛り上がりは充分です。合唱は本当に本番が一番うまくて、演奏しながらものすごく感激して、拍手が聞こえてきたときには思わずニヤッと(?)笑みがこぼれてしまいました。

 第九のすごいところは、視覚的にも楽しめる点にあると思います。合唱、ソリスト、オーケストラ、全てが舞台に乗っているというのは本当に豪華な眺めだと、舞台に乗っている私たち自身もそう思うほどです。もちろん音楽的にも、意外なところから音が飛び出たり、突然空白の時間があったりするのは、ユーモラスであり、展開がロマンティックで感動的です。ベートーベンの熱い想いはしがないアマオケ団員の私たちにも伝わってきます。
 「第九をただのイベントにしないで欲しい。」小田野先生はよくこうおっしゃっていました。それくらい音楽を愛するものにとって偉大な一曲なんだということが少しだけ分かった気がします。麻生フィルの成長と、平和への祈りを込めて…。

 団長!大成功でしたよ!
(レポート:島田愛理)
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