元東京フィルのヴィオラ奏者であった佐藤東人氏が、弟子たちを集めて二つの合奏団を始めたのが1983年の11月。 雪の多かったその年の冬に当合奏団の前身が誕生した。 当初の名前は「バシュレイアー合奏団」と「クーゲル合奏団」。 第一回コンサートは84年1月の発表会である。
やがてその片方のバシュレイアーが成長し、85年にアマチュア合奏団として独立。
その後しばらくして名称を「三ツ沢アンサンブル」と変更し現在に至る。
バシュレイヤーだった草創期のころは数ヶ月毎にコンサートがあり、団員が疲弊してしまったこともあった。
しかし、このころからは毎年秋の横浜市神奈川区主催のコンサートに出演するほか、ほぼ年一回の自主コンサートを続けるようになった。コンサートが少ないのは毎月一回だけ合奏練習をしているためである。月に一度だけの練習は、何かと忙しいアマチュア演奏家にとってしてみれば負担が少なく続けやすい利点が大きい。
85年冬からは声楽家の福井早枝子女史を招くほか、翌年からは女史主宰の「旭ファミリー合唱団」とジョイントを始める。現在まで女史のソプラノソロを含めてオラトリオやカンタータなども定例のコンサートで同合唱団と共演を続けている。こうしてコンサートでは弦合奏曲の合間に声楽曲を聴くことができ、単調さから解放された聴衆は、毎回のコンサートをより楽しみにしてくれるようになった。
もうひとつ嬉しいことには、「旭ファミリー合唱団」の面々にもこちらの弦合奏とのジョイントを楽しみにしてもらえるようになったことである。