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東京シンフォニエッタ第49回定期演奏会
東京シンフォニエッタ創設メンバーであり、TS の長い歴史の中での一つの「顔」でもある坂井俊博をソリストとし、ジョリベの二つのコンチェルトを軸に、もう一人の東京シンフォニエッタのメンバーである高橋敦の武満作品を通して現代におけるトランペットを堪能する。
同時に客的視座として、メシアンの「トランペット」という語が題名に用いられている「七つのトランペットのための狂乱の踊り」を併置することにより、トランペットの持つ、宗教性、呪術性が現代でどう聞こえてくるかをも問いかけている。トランペットはその起源は古く、さまざまな宗教画にも現れてくるような楽器であり、改良がなされたと言っても木管楽器、または鍵盤楽器のように革新的発明が工業技術の発展と同時になされたというものでは無く、唇の振動を増幅して音を生成し音楽を作り上げていくという人声に限りなくい楽器である。元来、バロック時代の管弦楽ではある 部分の強調、または他の楽器の模倣として自然倍音を用いた音型を演奏するといった用法が古典派までは長らくなされてきたが、ロマン派以降はその特徴を生かして、管弦楽の中ではさまざまな用法がなされ、その個性に目が向けられてきた。その延長として近現代の管弦楽においては重要な位置を占めている。 そのような特徴を持つトランペットに対して、ジョリベが二曲の協奏曲を残し、トランペットの現代音楽における認識をはっきりさせてくれた。その流れを敷術して、後年、重要な独奏曲が生まれてきている、TS のもう一人のメンバーである高橋敦が邦人作曲家によるトランペット独奏のための「径」を演奏し、メシアンと併せ、トランペットを立体的に捉え、この楽器の将来への可能性を共に考える演奏会としたい。 東京シンフォニエッタ音楽監督 板倉康明
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