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17世紀中頃、屋外用の楽器が改良されて室内用のオーボエとして誕生したと言われています。オーボエは二枚のリードを持ち、それを直接口でくわえて、音程と音量を調節しながら演奏されます。この点がバロックの前の時代であるルネサンスに使われた楽器と大きく異なる特徴です。
当時のオーボエは梨や林檎などの果物の木やメープル、柘植、黒檀、象牙など様々な材料で作られていました。現代において演奏されるバロックオーボエは管体に装飾が施されているものがほとんどですが、この楽器の外観はクラシカル時代に至るまでに数回の流行があり、一時期は全く装飾のない流線型のフォルムを持つオーボエが作られたことがあります。
古楽器特有の指使いにより生まれる音色の差は現代のオーボエにはわずかしか残されていない魅力です。鼻にかかった優雅で牧歌的な音色、心を大きく揺さぶる表現力をもったオーボエは当時の管楽器の花形でした。メロディーを奏でるのが得意な性質はこの頃から現代まで受け継がれています。
現代のオーボエにはなく、バロックやクラシック期のオーボエにある大きな特徴はベルに紙などを詰め、音量を減少させて演奏するという点です。このベルに詰めるものは様々だったようです。やわらかい紙や綿、羊毛、中でも黒毛羊の毛が良い!? など様々な意見があります。もしかしたら靴下でもいけるかも。レースが良いのか綿がよいのか、はたまたストッキングが最適なのか?
オーボエではフルートに見られるような科学的大改造が失敗に終わりました。そのため現代のオーボエとも指使いがよく似ています。
古楽研究会所有のオーボエ(写真)は、ヘンデルのオーケストラに楽器を供給していた製作家として名高いThomas Stanesby Jr.のコピーです。
This is a document of the website of the early music club of Nagoya university