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「洋梨をたてに割ったような」と形容されるかたちをした胴と、折れ曲がったネックをもつ撥弦楽器です。見た目は琵琶やマンドリンなどに似ていて、実際これらはウードという中東の楽器を起源にする仲間です。ただしリュートの演奏には撥などを用いることはなく、指でじかに弦をはじいて音を出します。
リュートは16、17世紀を中心として、ヨーロッパ全土で広く愛好されました。特に宮廷で人気があり、リュートが弾けることは貴族の重要なたしなみのひとつだったようです。「楽器の女王」などとも言われ、独奏にも伴奏にも使える万能な楽器として、当時は声楽に次ぐ重要な地位を占めていました。
バロック期以降は、発展してきた鍵盤楽器に押される形で姿を消していきますが、現代の古楽復興の動きにともなって再び演奏されるようになっています。リュートの魅力は何といってもその独特の音色にあります。あたたかく繊細な音は往時の宮廷人たちを魅了し、そして現代でも多くの人々に愛されています。大きな音こそ出ませんが、心温まる「癒しの音」として、リュートは今、静かなブームになりつつあるのだとか。
This is a document of the website of the early music club of Nagoya university